どくたまの独り言 Part2

どくたまによる、どくたまのための、徒然なる独り言。

ムーミンがセンター試験に。

今年もセンター試験の日がやってきました。

受験生だったのは、もう20年近く前ですが、毎年毎年苦しめられて、しょっちゅう泣いてたセンター試験

もう全然受験勉強してないので、数学とか物理とかは、手も足も出ませんが。受験生時代に大得意だった地理なら、まだなんとか太刀打ちできるかな、、、と、毎年新聞に出てる問題を解き続けて十数年。
そんなわけで、今年も解いてみました、センター試験地理B。

今年はすでに昨日の段階で、
ムーミンを知らなきゃ解けない問題が、地理に出題!』
とか、TVのニュースなんかでちょっと話題になっていたので、速攻で解いてみようと思った次第。

気持ちを落ち着けて、、、コピー用紙に解答を記しながら、、、挑戦終了。

早速、答え合わせです。

2017年度、センター試験地理B。得点は、、、85点。
ん〜、まずまずですかねぇ。

ボーキサイトの分布とか、、、チェルノーゼムだったっけ???とか、かなり知識的に怪しいモノもありましたが。
十数年勉強無しでこの点なら、まだ十分受験生と張り合えそうです(地理限定ですけど)。

で、話題になってたムーミンの問題が、これ。

要はこれ、北欧3国(ノルウェースウェーデンフィンランド)に関する設問の一つで。アニメの絵と言語の組み合わせて、フィンランドに該当する者はどれか?という設問。
一例として、スウェーデンに関するアニメ(ニルスの不思議な旅)と言語の組が示されていて、残る二つのどっちかがノルウェー、どっちかがフィンランドという問題。

ネットの記事なんかには
ムーミンなんか、知らない。こんな問題、解けるか!地理と関係ないじゃないか!』
みたいな記載が目立ちますが、、、ちゃんちゃらおかしいですね。

ムーミンなんか知らなくても、この問題、地理の知識だけで十分に解けます。
ムーミン云々ほざいてる連中は、単純に勉強不足ですね。


この問題の要点は、北大西洋海流が暖流であること、不凍港に関する知識で、これは北欧を学ぶ上で超基礎的な事項。
そして、言語に関しては、インドヨーロッパ語族とウラルアルタイ語族という結構突っ込んだ知識があれば楽勝ですが、スウェーデン語との類似性に気付けば、これ知らなくても解けちゃいます。

北欧の海賊であるバイキングは、広くバルト海一帯を根城にして活動していたので、スウェーデンフィンランドにもいたという事実はあるでしょう。しかし海賊であるので彼らには船が欠かせません、となると、その本拠地である港は不凍港であるノルウェーに位置せざるを得ません。これは、ノルウェー沿岸は暖流である北大西洋海流が流れているため、高緯度地域であるにも関わらず、湾が凍り付くことが少ないという知識で十分に導けますし、バルト海一帯は、この暖流の恩恵を受けられないため、ノルウェーより低緯度であるにもかかわらず、冬は海が凍結してしまうという知識からも、バイキングの本拠になりにくいと考えられます。他の問で、この暖流による気温を問うている設問があるのも、ヒントになるでしょうし、この北大西洋海流、不凍港の知識は、しごく基本的なところなので、別に難しくありません。となれば、ムーミンを知らなくても、バイキングの方がノルウェーだと簡単に判明します。

言語に関しての絵も、スカンジナビア山脈を挟んでいるとはいえ、ノルウェースウェーデンは陸続きで隣通しの国。対してスウェーデンノルウェーは、隣国とはいえバルト海を隔てており(高緯度地域では陸続きですが、人的交流にはこれほどの高緯度は適しません)、言語の交わりという点では、スウェーデンに近いのはノルウェーであるとたやすく類推できます。
難しく考えれば、ウラルアルタイ語族とインドヨーロッパ語族の違い、という論拠もありますが、ここまでほじくらなくても、既述の事項で十分でしょう。となると、例示してあるスウェーデンとほぼ同じ読みの方がノルウェー、と簡単に導けるし、かつ、この画にはトナカイらしき動物まで、ご丁寧に書いてあります。サンタクロースの国フィンランドというオマケのヒントまでつけてくれてあるので、これは実に簡単な問題。

これらいずれも地理的な知識としては基本的なところなので、ムーミンがあーだこーだいうのは、全くのお門違いも甚だしいトコロ。

というあたりで、今年のセンター地理、85点未満の諸君は、約20年間も勉強してない僕に負けてるわけで。勉強が足りませんねぇ。
精進するように。かっかっか!!!