どくたまの独り言 Part2

どくたまによる、どくたまのための、徒然なる独り言。

インフルエンザ

この週末あたりから、ニュースをにぎわせているインフルエンザ。

一番いけないのは、『予防接種』っていう名前だと思うんだけどな。
だって、みんな勘違いしてるんだもん。

『予防接種したから、インフルエンザにはかからない』って。

インフルエンザの予防接種は、感染の『予防』じゃない。
重症化の『予防』です。
うがい、手洗い、マスクに加湿。これにまさる予防策はありません。
だから、どんなに予防接種しても、インフルエンザには感染します、残念ながら。
そこんとこ、勘違いしてる人が多いし、ニュースなんかでも
『予防接種をしたのに感染した』
っていう誤った見解の報道がされているのが、こうした誤解に拍車をかけている。

タミフルもそう。
あれだけ、タミフルの副作用のことで、この薬を悪者扱いして叩いておきながら、
『予防のためには身内・家族に感染者が出たら、予防的内服をするのがいい』
ですって。

ちゃんちゃらおかしいったらありゃしない。

そもそも、インフルエンザはタミフルリレンザなどの、抗ウイルス薬の登場までは、安静・休養・栄養をとって、自己免疫で自然治癒するのを待つのが治療法だし、これが今でも基本かつ肝要なのは変わっていない。
これだけで7日〜10日くらいで治っていた。
これが、タミフルを使うと5日〜7日くらいで治る。
飲んだから、即治るっていうクスリじゃない。
2〜3日、病期を短縮させるっていうオクスリが、こうした抗ウイルス薬の役割。

なのに、あたかもタミフルが無いとイケナイとか、タミフルさえ飲めばいい、とか。
治療の根本が間違っているように思うよ。

タミフル耐性ウイルスが増えているってのは、困ったものだけど、
でも治療の基本がクスリじゃないっていうことを、きちんと知らせないといけないと思うよ。

たまには真面目に医者らしいことを書いてみた。