どくたまの独り言 Part2

どくたまによる、どくたまのための、徒然なる独り言。

昨日の(今朝の1/11の)日記に関して・その2

もう1つは、研修医時代の出来事です。

医師は、いつまでたっても勉強だ。
よくいうセリフですが、僕の指導医だった小児科のM先生の口癖。
内容は似ていても、これも強烈に印象的な言葉でした。

『医者が“知らない”って言うのは、それだけで罪だからね』

これは、僕が神経内科医だから余計に思うのかもしれません。

画像検査が発達した今でも、神経内科はいわゆる“神経学的診察”という、見て、聞いて、打って、触ってという“所見”がとっても重要かつ基本になる科です。まだひよっこが先輩を差し置いて言いますが、この点において、神経内科は、他の科に比べ非常にアナログなところがまだまだ生き残っている科です。僕はそう思います。
でも、これがやっぱり重要なんです。

所見をとっていると、同じ患者さんの、同じ所見を見ているはずなのに、先生によって全然意見が違うなんて事もしばしばです。
これは、知っている・知らないと言った差でもあるし、
実際にそういう方を診た・診ていないという経験の差でもあるし・・・
とにかく、そんなアナログな感じ・デジタルでスキッとしないトコロにに魅かれたのが、僕がこの科を志した理由の一つ。

だから、M先生の口癖は、余計に印象的だったんです。
目の前にある所見でも、知らなかったら意味がない。
知ってる人同士が診たって、意見が割れる事があるんだから、知らなかったらお話にすらならない。
 

他にも、色々な経験が今の僕を作っちゃいます。
でも、この2つの出来事が、色々な考え方の源流にあるんじゃないかな。
自分ではそう思うのです。